
朝日福祉ガイドブック『セルフヘルプグループ』
大阪セルフヘルプ支援センター編
※この冊子は朝日新聞厚生文化事業団の許可を受けて掲載しています。
朝日福祉ガイドブック「セルフヘルプグループ」は、朝日新聞厚生文化事業団によって1998年3月31日に発刊されましたが廃判になりました。
この冊子は、多くの当事者が執筆したきわめて貴重な文献です。セルフヘルプグループの社会的意義や実際の活動を広く知って欲しくて、ホームページへの掲載をお願いしたところ、許可をして下さいました。ご許可下さいましたことに感謝致します。 (伊藤伸二)
大阪セルフヘルプ支援センターは、毎年セルフヘルプグループセミナーを開いています。その報告書は関係者に読んでいただいていますが、ごく一部に限られます。もっと広く大勢の人達に読んでもらい、セルフヘルプグループの素晴らしさを知ってもらいたいと常々思っていました。
毎年夏に信貴山で行われる大阪セルフヘルプ支援センターの合宿勉強会の時に、出版の話が出され、私が原稿をとりまとめる役になりました。
全ての原稿が私のところに送られてきました。それらをじっくりと読み、圧倒され、改めてうれしくなりました。グループを作る前のその人の人生、同じような生き辛さをもつ人との出会いの体験、さらにセルフヘルプグループにつながっていく中で、大きく広がっていった人生、それらはセルフヘルプグループの素晴らしさを見事に表していたからです。皆さんのセルフヘルプグループに寄せる思いは大きく、限られた枚数にまとめることは難しいようでした。おそらく書き込めばグループ一つでこのガイドブック1冊分にはなることでしょう。
できるだけ読みやすくするために、グループで使う専門用語や学術用語については最小限にとどめ、小見出しをつけたり、分かりにくいところは分かりやすく、もう少し知りたいことは詳しくと、いろいろと執筆者に加筆訂正をお願いしました。
そこまで私が「分かりやすく・読みやすく」にこだわったのは、セルフヘルプグループの素晴らしさをできるだけ多くの人に知ってほしかったからです。いくら素晴らしいものでも、自分たちだけが納得でき、理解できるものでは、多くの人に読んでいただくことはできません。素晴らしい活動と、それを文章に表現することは違うことだからです。もちろん、文章で表現できることは限られ、実際に体験をしなければ分かりにくいことでしょう。しかし、この福祉ガイドブックを読んで下さった方が、セルフヘルプグループに関心を持って下されば、ガイドブックの役割が果たせたことになります。
今後、人が自分らしく生きるには、ますます生き辛い会社になっていくような予感がします。これまでになかった様々な悩みにも新たに生まれることでしょう。多くの人が、セルフヘルプグループを必要とする時代がくるでしょう。その時、多くの体験を、セルフヘルプグループという観点から集めたこのガイドブックが大きな意味をもつだろうと思います。
このガイドブックをお読みになった、病気や障害やある事柄で生き辛さを感じていた人が、ひとりで悩まず、確かに自分のことを話してみたいと思って下さればと思います。そして、セルフヘルプグループにつながってほしいと願います。また、グループがないなら、自分でつくってみようと思うきっかけになればうれしい限りです。
すでにセルフヘルプグループで活動している人々にとっては、ご自分のグループを振り返ることができ確信をもつことになれば、また、別のグループから学ぶことがあれば、幸いです。
大阪セルフヘルプ支援センター・編集者のひとり 伊藤伸二
「あとがき」より
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