『治すことにこだわらない、吃音とのつき合い方』 |
・こちら から感想文をごらん頂けます。 暖かいオレンジ色の表紙、やさしく丁寧な語り口。「吃っていてもいいんだよ、そのままでいいんだよ」というメッセージが全編を通して流れていることが、よく分かります。吃る子どもや吃る人たちの未来は明るいことを、約束してくれているようです。 著者のひとり、水町俊郎・愛媛大学教授は、2004年9月、お亡くなりになりました。研究者としての立場を堅持しつつ、吃る人の声にも真摯に耳を傾けて下さった水町先生が全力を挙げて取り組まれた、遺書ともいえる本です。 吃音研究者と吃る当事者の共同の取り組みから生まれた世界的にも珍しい本です。 吃る人の悩みが解決されないのは、吃音を非流暢性の問題としてのみとらえてきた古い吃音観に起因しているのではないかという問題提起から、この本は始まります。 吃音の問題を「治す」から「吃る事実を認める」、そして、吃音とうまくつき合いながらどう生きていくかという「生き方」の問題としてとらえ直していく必要を訴えています。 そのために、吃音に悩み、吃音と共に歩んできた、吃る当事者の生の声や生き方に耳を傾けることを重視しています。吃る人のセルフヘルプグループである大阪スタタリングプロジェクトの、大阪吃音教室での話し合いや講座の様子、ニュースレターである「新生」の記事などがたくさん紹介されています。 【目 次】 第1章 吃音の問題を、周囲の聞き手や吃音者自身の生き方をも含んだ包括的な問題として捉えることの意義 (水町俊郎) 第2章 吃る人は具体的にどんなことで困り、悩んでいるのか (伊藤伸二) 第3章 ある成人吃音者の生活史から、吃音とのつき合い方について考える (水町俊郎・伊藤伸二・佐々木和子) 第4章 吃音の仲間との出会いの意義(その1) (伊藤伸二) 第5章 吃音の仲間との出会いの意義(その2) (廣島忍・岐阜大学助教授) 第6章 吃音はマイナス面のみか 吃音力の提唱 (伊藤伸二) 第7章 吃音者の就労と職場生活 (水町俊郎) 第8章 ことばの教室でしておくこと (堀彰人・千葉県教諭) |
水町俊郎(愛媛大学名誉教授) 伊藤伸二(日本吃音臨床研究会会長) 編著 『治すことにこだわらない、吃音とのつき合い方』 ナカニシヤ出版(2005.03)2,200円(税込み、送料当方負担) ※消費税増税に伴い、料金を改定しました。 ISBN 978-4-8884-8947-8 |
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