《大阪吃音教室 例会記録》

------------------------------------------------------------
・吃音教室2004.09.10・記録
テーマ:自分をしばっている考え方を変える
    論理療法 実践編
担当者:東野 晃之
参加者数:31人(内、初参加者3組5人)
------------------------------------------------------------
18:45〜 (司会者)初参加者紹介

19:15〜 (東野)論理療法の説明
・「言語関係図」を使った説明。(詳細省略)
・吃症状を軽減するのは難しいが、本人の吃音に対する受けとめ方
 を変えることは出来る。そうすれば吃音の悩みを小さく出来る。
 論理療法は、本人の受けとめ方を変える有効な方法の一つ。

・先週の復習。
・何か出来事(A)があり、悩み(C=結果)が生まれる。多くの人は
 (A)が(C)に直結していると思い勝ちだが、(A)と(C)の間には
 (B=考え方)が介在していて、(B)が悩みの元である。
・同じ出来事(A)があっても、人によって(B)が違い、受けとめ方
 (C)が違う。(B)の存在に気づいて、自分の(B)を変えれば、自
 分の受けとめ方(C)を変えることが出来る。

・悩み、落込み、怒り、不安など、不適切な反応が生まれるときに
 は、本人が「イラショナル・ビリーフ」(非論理的な考え方)を
 持っている。

19:30〜 (東野)「イラショナル・ビリーフ」の種類
・「イラショナル・ビリーフ」には4種類ある。
1. 要求(と願望の混乱)  (相手は)〜でなければならない
2. 不当な過度の一般化   〜に違いない
3. 絶対論的思考      〜しかない、〜べきである
4. 過剰な反応       〜は恐ろしいことだ、ひどいことだ

・「イラショナル・ビリーフ」には、典型的な文章記述がある。
・「イラショナル・ビリーフ」があると、自分の心の中で不適切な
 文章記述が行われ、それが不適切な反応になって現れる。
・文章記述を変えると、出来事に対する受けとめ方が変わる。
 行動もしやすくなる。

・感情、思考、行動の3つのうち、感情はコントロール出来ない。
 行動が一番変えやすい。思考は、行動の次に変えやすい。
・「イラショナル・ビリーフ」は自分で作り出した考えなので、思
 考の中でも比較的変えやすい。

19:50〜 休憩

20:00〜 (東野)出来事(A)と結果(C)の実例について考える
・参加者の体験「高校の時、本読みで声が全く詰まり、立ち往生し
 た。途中で先生に止められ、ひどく落ち込み、へこんだ。」

・その時、本人がどんな考え方(B)を持っていたのか考えてみる。
○「吃っていたら、人よりも劣っている」
○「吃音を聞いた人は、内心馬鹿にしているに違いない」
○「吃って立ち往生することは、とてもみっともないことだ」
○「高校生にもなって、本をまともに読めないのは情けない」

・それらが「イラショナル・ビリーフ」であることを確かめる。
○吃っていたら、口の達者さでは確かに劣っている。
 でもそれで、人間全体として劣っているわけではない。
○吃音を聞いた相手は、たいていそれほど気にしていない。
 人は自分のことで手一杯なことが多い。
○小学生の頃、吃音の同級生を馬鹿にしたことがある。でももう少
 し大きくなると、うまく喋れないから相手がおかしいという気持
 はなくなった。(非吃音者の参加者)

20:45〜 (東野)まとめ
・固い考え方を、柔軟な考え方に改める。
・一つの考え方にしばられない(選択肢を増やす)。

・自分の考え方が「イラショナル・ビリーフ」に当たるかどうかの
 チェックポイント。
△その考え方が現実的かどうか
△その考え方が論理的かどうか
△その考え方が自分を幸せにするかどうか

20:50〜 初参加者感想
○吃音の現状を受け入れるという考えに、共感しました。
○話の中に、ショックを受けた内容がありました。
○こんな和気あいあいとした集まりに、勇気づけられました。
○もっと根本的に、突っ込んだ話をして欲しいと思います。
○子どもの吃音を理解しているつもりでした。今後勉強します。

20:55  終了
------------------------------------------------------------

例会記録トップへ  前回記録(09.03)へ  次回記録(09.17)へ