JSP年報 Stutterring Now 『竹内敏晴の世界』 〜竹内レッスンで起こっていること〜 |
【内 容】 まえがき 第1章 「ライブ」としてのレッスン 〜大阪での竹内敏晴レッスンのはじまり〜 第2章 たけうち通信より 第3章 いのちが激しく動く 座談会 第4章 再び、たけうち通信より 第5章 たけうち通信に掲載されたもの あとがき 竹内敏晴さんのことは、これまで何度も「新生」や「スタタリング・ナウ」で紹介してきました。竹内さんは、2009年にお亡くなりになりましたが、それまで、大阪吃音教室の定番講座「どもる人のからだとことばのレッスン」の講師として、年に一度、来ていただいていました。「どもる人」のための特別なレッスンではなく、言語訓練に代わる「日本語のレッスン」として、私たちが楽しく取り組んでいたものです。 今回の年報は、日本吃音臨床研究会が事務局となり、大阪での竹内さんの定例レッスンをしていたとき、季刊で発行していた「たけうち通信」に掲載した竹内さんの文章を集めました。出版を意図して書いたものではなく、気楽に、思いのままを綴っていった文章は、まさに竹内レッスンにふさわしい、「ライブ」感にあふれています。たくさんのエッセイの中から、竹内レッスンを経験していない人にも、内容がイメージでき、今後の生活に少しでもつながるものをと選びました。 10年間の大阪での定例レッスンの中で、私たちはたくさんのことばに触れてきました。それが、私たちが自分らしく、今を生きる上で大きな指針ともなっていました。竹内さんが亡くなって12年経ちましたが、今、もう一度竹内さんのレッスンを受けたかったなあと思います。 時は流れ、竹内さんを知らない人も増えました。レッスンを受けたいと思ってもかないません。この冊子は実際にレッスンの場で起こったことを、話し、書いたものが中心です。実際に参加経験のない人にとっても、想像力を働かせれば、豊かな竹内敏晴さんの世界を感じ取っていただけると思います。貴重な、レッスンの場での生の声に触れていただければ幸いです。 新型コロナウイルスで生活を壊され、ロシアのウクライナ侵攻という、これまで経験したことのない試練の時代を私たちは生きています。対話の大切さが今ほど言われる時代はありません。この時代だからこそ、「竹内敏晴」は必要でした。編集の過程で、改めて私たちも「竹内敏晴」と再び出会う幸せを味わいました。皆様のからだにも、少しでも、「竹内敏晴」の声が届くことを願っています。 |
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